【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

「俺、何かを間違えたのか?」
「違う、私が勝手に……っ!」

「退屈だったんだろ?」
「えっ」
「悪かったな、ちゃんとしたデートを企画できなくて」

 ――どういうこと?

 予期せぬ言葉に恥ずかしさも忘れ、思わず臣海さんを凝視した。

「言っただろ? 俺は愛とか恋とかわからないんだ。仕事に関することならいくらでもアイデアが湧いてくるのに、菜月を喜ばせる方法は一つも思い浮かばない」

 斜め上の見解に言葉が出ない。

 私が黙っているのを肯定と受け止めたらしく、彼は「デートプランも練らずに買い物で済ませようだなんて安直(あんちょく)すぎだったか」とか、「くそっ、美術館はまだ開館していないな」などとブツブツ呟きはじめる。

 最後に「ホテルのゲストにおすすめしているヘリコプターでのマンハッタン遊覧飛行はどうだ?」などと彼が口走ったのを聞いて、さすがに申し訳なくなった。

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