【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「菜月、唇にカルボナーラのソースがついてるぞ」
「えっ、本当?」
口元を拭う前に手首を掴まれ、白いソースは彼の舌で舐め取られた。そのまま唇が重なって、バランスを崩した私はハイチェアから落ちそうになる。
臣海さんが腰を強く引き私を抱き寄せてくれた。
至近距離で見つめ合うと、すでにお互いの目には情欲の色が濃く浮かび上がっている。
「……菜月、いつまでここにいられるんだ?」
「今夜には向こうのホテルに戻ろうと思う。ミヤちゃんにはちゃんと状況を知らせておいたほうがいいし、あまり姿を見せないとみんなに怪しまれるから」
そう言いつつも心の中では彼から離れ難くて。
「今は午後5時か。まだもうしばらくは大丈夫だろ?」
壁の掛け時計を見ながら臣海さんに聞かれ、私は速攻でうなずいていた。
――今この時間を大切にしたい。
だから他の女性の話題を出すなんて無粋なことはやめておこう。
それにいずれ臣海さんが話してくれるに違いない。だからその時を待とうと決めた。
臣海さんは軽々と私を横抱きにして歩き出す。お互い何も言わなくたって、行き先なんてわかっている。
私は彼の首にしがみつきながら、これから彼に与えられるであろう悦楽を想像して身悶える。
そしてキングサイズベッドに下ろされると期待以上に激しく求められ愛されて……午後9時を過ぎたころ、私は臣海さんにイエローキャブで送られて、後ろ髪を引かれる想いで宿泊先のホテルへと戻ったのだった。