【6/15番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜
「でも、愛してるって言ってくれたし、部屋に入れたのも料理を作ったのも私だけだって言ってたし、誕生日まで祝ってくれた彼の言葉や態度が嘘だとは思いたくない。それに彼がどうこうじゃなくて、もう私自身が彼を愛していると思うから……!」
――あっ。
ハッと顔を上げれば、ミヤちゃんが呆れた表情で、だけど優しい声音で口を開く。
「菜月がここまで必死に言い返すってことは、つまりそういうことなんじゃないかな。だったらもう進んじゃえば? ここで引いても後悔するだけでしょ」
今ハッキリと自覚した。
そうだ、私は臣海さんを愛しているんだ。
彼といるのが楽しくて嬉しくて。嫉妬して苦しくて恥ずかしくて。
肌に触れられたくて触れたくて、気持ちよくて離れ難くて。
そういう感情ぜんぶひっくるめて、もうすでに私は彼を愛しているのだと思う。
「まあ、はじまる前からあれこれ悩んだって意味が無いのかもね。優也さんとだって1年8ヶ月も付き合って、結局彼の本性を見破ることができなかったわけだし?」
ミヤちゃんの言うとおりだと思う。
一生にただ1人の相手だと信じていたって裏切られることはあるし、相思相愛の相手だって途中で心変わりしないとは限らないのだ。
だったら悩んでいる時間がもったいない。
走り出した気持ちにブレーキをかけるくらいなら、助走をつけて飛び込んでしまったほうがいい。