【2/4 番外編追加】一夜の恋じゃ終われない 〜冷徹ホテル王の甘い執着〜

 期待に反してその夜も翌朝も彼からの連絡は来なかった。
 もしかしたら本当に遊ばれていたのでは? なんてシュンとしながら飲茶を食べ、ホテルのロビーに向かう。

 移動のバスでブリーフィングの途中、手元の資料を見た私は思わず大声をあげていた。

「ええっ! どうして!?」

 隣の席で資料をめくったミヤちゃんが、「えっ、嘘っ!」と同じく大声をあげた。

 先輩方の冷たい視線に肩をすくめつつ、私達は顔を寄せ合い小声で囁く。

「菜月、知ってたの?」
「知ってたらこんなに驚くわけがない」
「……だよね。それじゃあ、これは……」

「「どういうこと!?」」

 手元の資料のファーストクラス乗客名簿には、『久遠臣海』の名前が記されていた。


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