一途な外科医は彼女の手を繋ぎ止めたい

お誘い

冬哉さんの車で夢の国へ向かった。

キキの散歩で今朝も会い、ルーティーンのジョギングをして散歩し、慌てて帰宅。シャワーを浴び汗を流すとすぐにまた家を飛び出した。

久しぶりの夢の国にまさか夏休みに行けるなんて思っても見なかったので、昨日の夜冬哉さんからのメッセージを見て飛び上がるくらい嬉しかった。

冬哉さんもすごく久しぶりと言っていて、なんでここに行きたかったのかよくわからなかった。
でも私はここが大好きだからとても嬉しい。
平日とはいえ待ち時間は長いけど、いつものように話していたらあっという間だった。
乗り物に乗ったり、パレードを見たりほんとうにたのしかった。
フードワゴンで色々食べながら園内を回ると時間が過ぎるのは早く閉園時間間近となった。
ショップに寄り私は大好きなキャラクターのクマのキャラクターコーナーで立ち止まり、物色する。
冬哉さんを待たせてはいけないと思うがあまりの可愛さにペアで買おうかと悩んでなかなか決まらない。
ふと気がつくと冬哉さんも同じコーナーを見ている。

「同僚の妹さんへのプレゼントを買ってきてほしいって言われたんだ。実はここにくることもその同僚に由那ちゃんくらいの年齢は喜ばれるって言われたんだ。ごめんな、俺あんまり出かけないからよくわからなくてさ。楽しんでもらえたかな?」

「もちろんです。とっても楽しかったです。その同僚の方にお礼を言わないと。それに妹さんへのお土産も、ですね。このキャラクターでいいんですか?」

「あぁ。クマのキャラクターって言ってた。ペアなんだな」

「私ならこういうのとか可愛いから欲しくなります」

「では由那ちゃんオススメのものにしよう。由那ちゃんは何買うの?」

「私は仕事で使えるように文具ですね。仕事でのテンションが少し上がります。あとはこのパスケースを買おうかなって悩んでます」

「いくらでも悩んで。俺も文具買おうかな。ボールペンならさりげなく使えるし」

私と同じボールペンを手に取るのをみて可愛くなった。
冬哉さんにもこんな一面があるのね。
ちょっと微笑ましくなり笑みがこぼれる。

「おそろいですね!」

そういうと恥ずかしそうに頭をかく。

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