冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

 俺は芽衣を想いながら眠れない夜を過ごしたが、翌朝になって、自分が今すべきことにおのずと気が付く。

 母の心の治療がなにより第一で、芽衣だってそう思ったから、わざわざ手紙に残してくれたのだと。

 俺は嫌がる母親をなんとか説得し、精神科医の鮎川先生のもとへ連れて行った。

 今の母は〝依存性パーソナリティー障害〟という状態なのだそう。それにうつ状態も併発していると診断され、薬物療法と精神療法を並行して行うこととなった。

 時間はかかるが、症状が改善する見込みは高いとのこと。

 俺は鮎川先生のその言葉を信じ、病院への送迎や付き添い、普段の生活のフォローも自ら積極的に関わった。そうすることで、母の心が少しずつ健康を取り戻していくのが、目に見えて分かった。

 治療を始めて一年が経過した頃、俺の運転する車で病院から帰る途中、母に言った。

「もっと早くに治療を始めていればよかったのに、ごめんな」
「ううん、私の方こそ迷惑をかけたわね。……ねえ至、芽衣さんとはもう会っていないの?」

 母は少し気まずそうに目を伏せて聞く。

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