冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「おかえり郡司。どうたった? 会えたか?」
「久々の再会に感極まって、ハグ? それとも熱~いキス!?」

 三船夫妻のテンションが高いのは今に始まったことではないが、今日はいつにもまして興奮している。

「昼飯、一緒に食べただけですよ。第一、向こうはシングルマザーなんですから」

 しれっとそう言って、自分のデスクに腰を下ろす。三船夫妻はつまらなそうに顔を見合わせ、肩をすくめた。

「なんでシングルなのかちゃんと聞いたか?」
「聞いてませんよ。俺は三船さんと違ってデリカシーがあるもので」
「蘭ちゃ~ん、郡司が反抗期」
「よしよし、泣かないで京ちゃん」

 ふたりともアラフォーのくせに、オフィスだろうと何だろうと平気でいちゃつく、一見ふざけた夫婦である。しかし、こうなるまでにはかなりの紆余曲折があった。

 実はこのふたり、三船さんが元検事で、蘭さんは元検察事務官という異色の経歴の持ち主。

 ふたりとも東京地検に勤務していたが、なんと蘭さんは当時、現役の検事長にセクハラを受けていたそうだ。

< 115 / 223 >

この作品をシェア

pagetop