冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
しかし、蘭さんは『一緒に戦ってくれてありがとう』と三船さんに感謝し、長い公判の間支え合ったふたりは、そうすることが当たり前だったかのように、結婚して夫婦になった。
しかし、蘭さんはセクハラ被害の経験から、男性に触れられることに恐怖と嫌悪感を覚えるようになっていた。当然、三船さんとの夫婦生活もできない。
『たかがセックス、されどセックスって感じでさ……京ちゃんのことは大好きなのに、どうしても彼にすべてを委ねられない自分が、意気地なしすぎて嫌いになる』
三船さんが事務所を出ている時など、蘭さんは俺によくそんな愚痴をこぼした。
検事長という巨大な権力にたったふたりで立ち向かい、その後もかけがえのない存在として互いを支え合う三船さんと蘭さんを俺は尊敬していたから、力になりたい気持ちはもちろんあった。
しかし、法律関係ならまだしも夫婦生活のことには立ち入りづらいので、俺はいつも聞き役に徹するだけ。
いつか、蘭さんが三船さんにすべてを許せる日が来ますように。陰ながらそう祈るくらいしかできなかった。