冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
それから郡司さんと純粋にビュッフェの料理を楽しみつつ、お互いについて色々な話をした。郡司さんは下の名前を至さんと言い、私よりふたつ年上の三十一歳。
先ほどの会話にも登場した三船さんという弁護士が所長を務める『三船法律事務所』で働いているそう。
三船さんは、過去に奥様がセクハラ被害を受けた経験から、セクハラやパワハラなどの労働相談を請け負うことが多く、性犯罪をとても憎んでいるらしい。
郡司さんも少なからずその影響を受けているため、難波さんのような人間は許せないのだと言った。
「俺はその他に、学校関係の法律相談もよく受ける。いじめ、虐待、ママ友トラブル……どれを取っても、一番の被害者は子どもだ。彼らがSOSを出しやすいように、事務所には未成年者向けに無料のホットラインも開設している」
郡司さんの見た目や言動は子どもとは無縁に見えるので驚いた。
しかし、彼の思いには共感する。
「いいですね。私も、生徒たちのどんなに小さい声でも拾いたいという思いで、カウンセリングの仕事をしています。彼らが抱える問題自体はすぐに解決しないかもしれないけれど、誰かに話すだけで救われることって、本当にあるんです。死にたいほど嫌なことがあっても、味方がひとりいるって思うだけで、生きる方に心を傾けられる。私がそんな希望になれたらなって……ちょっと、おこがましいかもしれないですけど」