冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
思いのほか熱く語ってしまい、照れ笑いをしてお酒のグラスに口をつけた。春限定なのだという桜色のカクテルが、ほんのり頬を火照らせる。
郡司さんはお酒に強いらしく、ギムレットの二杯目をもう飲み終わりそうだ。
「なるほど、たったひとりの味方か。きみが隙だらけなのは、職業柄もありそうだな。カウンセリングの基本は共感だと聞く。この人はきっと自分を否定しないというオーラが、きみからは常に出ているのかもしれない」
そうだとしたら、うれしいな。気をよくした私はニンマリ笑う。
「それなら、隙だらけでもしょうがないですね」
「周囲に目を光らせるこっちの身にもなってくれ」
郡司さんは苦笑し、グラスに残っていたギムレットをくいっと呷る。きっちりネクタイを締めているのに、骨ばった喉仏が上下する様が異様にセクシーで、目のやり場に困った。
「あ、美味しそうなアスパラベーコンがある。実はうちの実家、アスパラとニラを作ってる農家なんですよ。両親は駆け落ちの末東京から福島に移り住んで、脱サラしたんです」
郡司さんの色気から気を逸らすように、料理に目を向けた。シンプルだが彩りのよいアスパラベーコンを皿に取り、味わいながら咀嚼する。