冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
『お母さんがそんなことをする心当たりは?』
『たぶん、私がお母さんとの関係について観月先生に相談したことがあるからです。お母さん、友達の母親伝いにそのことを知った時、尋常じゃないくらい取り乱しました。PTA会長のメンツが潰れたらどうしてくれるんだって。そういうところが嫌だから相談したのに、お母さんは全然わかってないみたいで……それから、家でもよく観月先生を悪く言うようになりました』
娘が言葉を重ねるたび、会長の顔色が、濃いメイクで隠せないほどに青ざめていく。
そして、レコーダーの最後――。
『PTA会長なんて、やめちゃえばいいのに……』
娘の心からの叫びに会長は唇を震わせ、瞳に涙を浮かべた。
彼女にも、母親らしい心が残っていたのだろう。やがて、メイクが崩れてぐしゃぐしゃになった顔で、その場に深々と頭を下げる。
「申し訳ありませんでした……。SNSの投稿だけでなく、崎本くんと観月先生の写真を撮ったのも私です。娘が観月先生に私のことを相談していたと知った時、PTA会長という鎧の内側を覗き見られた気がして、不安でどうしようもなくなって……愚かにも、観月先生が学園からいなくなればいいと、そう、思ってしまったんです」