冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
崎本くんは自慢げに語り、ニッと笑った。
至さんの行動は、確かに簡単にできそうなものではない。彼は本当に優しい人なのだ。
弁護士として、ひとりの人間として、困っている人を放ってはおけない。だから、婚活パーティーでも私を助けてくれた。
あの縁がなかったら、私の人生はもっと寂しいものだっただろうし、自分より大切な存在である成優にだって出会えなかった。今の私があるのは、至さんのおかげだ。
ぼんやりそう思っていると、崎本くんが先ほどより静かなトーンで話しだす。
「俺んち、母親がアレだからかわいそうって思われがちだけどさ……芽衣ちゃんとか兄貴とか、頼れる大人がそばにいて、実はめっちゃ恵まれてるんじゃないかって最近気づいた。ふたりみたいにすげぇ優しくてカッコいい大人に、俺もなりたいって思う。実は、弁護士の仕事もちょっと気になっててさ」
「崎本くん……」
ちょっと前までの彼は、なんの目的もなくただ漫然と学校に来ている雰囲気だった。
時間つぶしにカウンセリング室に来ては、行き場のないフラストレーションを吐き出して。けれど、今の彼の瞳は、未来を見据えてキラキラとしている。
自分自身で見つけたんだ。これからの人生の目標を。