冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「弁護士、素敵な夢だと思う。心から応援する」
「ありがと。あと、芽衣ちゃんにはもうひとつ頼みがあってさ」
「うん。なぁに?」
崎本くんはちょっと緊張したように深呼吸をすると、決心したように私を見る。
「このカウンセリング室、親も使っていいらしいって噂で聞いた。だから……うちの母親、来させてもいいかな? まともに育ててもらった覚えはないし、家に男を連れ込んでばっかだから、近所の人に白い目で見られるような親だけど……それでも、心配なんだ。俺を産んでくれた、たったひとりの母親だから」
崎本くんの真剣な目は、今までで一番〝助けてほしい〟と訴えていた。
彼の母親のことは、私自身も気になっていた。虐待やネグレクトをする親は、その親自身がなにか困りごとを抱えている場合が多い。
ネグレクトの経験がある母親のうち、およそ六割がうつ傾向にあるとの調査結果もある。
崎本くんの母親の場合、男性の影が絶えないのは、彼女自身、愛情に飢えた幼少期を過ごした影響という可能性もある。
私にもなにかできることがあるかもしれない。まずは話を聞くことが必要だ。