冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「わかった。もしもお母さんが学校に来るのがいやなら、私からお家に出向くこともできるし、まずは電話で話をするだけでもいい。そう伝えてもらえる?」
「ありがとう。言ってみる」
「もしうまくいかなかったら、また相談して? たとえお母さんにとって家族があなたひとりだとしても、崎本くんが全部抱え込む必要はないし、潰れそうだったら逃げていい。周りの大人が、必ず助けるから」
責任感が強いばかりに、自身が潰れてしまったら元も子もない。
たとえ親子間のことでも、外部の人間に頼ることを躊躇しないでほしい。
「やっぱよかった、芽衣ちゃんに話して。でも、人の世話ばっか焼いてないで、自分の幸せも考えろよな」
「もう、またその話?」
お節介な忠告に顔をしかめたところで、次の授業の予鈴が鳴る。崎本くんはひょいと席を立ち、カウンセリング室を出る直前にこちらを振り返って言った。
「兄貴との結婚式、写真でいいから見せてくれよな」
崎本くんってば、私と至さんが復縁すると勝手に決めつけて……。扉が閉まると同時に、私は思わず苦笑した。
それにしても、この短い間で彼もずいぶん成長したものだ。