冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
ズバッと肯定され、再度謝りながら深く頭を下げる。すると、郡司さんがくつくつと声を殺して笑っているのが、頭上から聞こえた。
「嘘だよ。でも、俺に家族の話をさせた責任を取ってもらおうか」
「責任?」
「母について、少し悩んでいることがある。相談に乗ってくれないか?」
郡司さんの眼差しは、意外にも真剣だった。そんな目で見つめられると、心臓が勝手に早鐘を打つ。
「相談相手、私なんかでいいんですか?」
私たちは今日が初対面。身内に関する悩みを打ち明けても構わないような親密な関係ではないと思うのだけれど。
「私なんかって、きみはその道のプロだろう?」
郡司さんが片眉を上げて苦笑する。
そういえば、私はカウンセラーだった。変にドキドキした自分を殴りたい。
「わ、わかりました」
「そうと決まれば場所を変えて飲み直そう。ここの主催者に伝えてくる」
くるっと踵を返し、司会進行役のもとへ歩いていく郡司さん。そのスタイルのよさやスマートな身のこなしについ見惚れてしまうが、その一方で自分を戒める。