冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「私、あなたに妊娠のことを相談すべきか悩んでいた時、あるきっかけで、至さんと蘭さんの仲を疑ってしまったことがあるんです。その日、私はコンビニに入っていくふたりをこっそり尾けて……」
私はあの時聞いたふたりの会話を、そのまま至さんに伝える。至さんは目を丸くしてきょとんとした後、記憶を思い返すように宙を睨んだ。
「ああ、思い出した。なるほどな。会話だけ聞いたのなら、誤解するのも無理はない」
至さんは苦笑し、あの日なにがあったのか、説明し始めた。
「蘭さんが前の職場でセクハラを受けていた件は、話したことがあったよな? そのせいで心に傷を負った蘭さんは、長年、夫である三船さんとの夫婦生活にも応えられずに悩んでいた。そんな時、俺が芽衣と付き合い始め、自分でも気づかない変化が色々あったらしい。その……あれだ。パンダの件も、その延長というか」
暴露されたのが相当恥ずかしかったらしい。至さんはゴホッと咳払いをして続ける。
「きみと出会う前、母の件で交際女性から〝マザコン〟と言われた経験もあって、俺は恋愛にそれほど期待していなかった。しかし、きみのおかげで恋愛観は百八十度変わった。蘭さんはそんな俺に感化されて、三船さんとの夫婦生活にチャレンジしてみたいと思えるようになったそうだ。アレを買おうという発言は、その意思表示だ」
ようやくすべての疑問が解けた。と、同時に、つらい経験を乗り越え夫婦の愛を貫こうとした蘭さんと至さんとの仲を疑うなんて、早合点にもほどがあると反省する。