冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
パーティーで顔が赤くなっていたのは郡司さんのせいのような気もしたけれど、口には出さず、彼の勧めに素直に従った。
運ばれてきたウイスキーで乾杯して間もなく、郡司さんが婚活パーティーに参加した理由を話しだす。
「自分自身、そこまで結婚願望があるわけではないんだが、結婚でもしない限り母が子離れしてくれないだろうと思って、重い腰を上げたんだ。……母は俺に依存気味でね」
郡司さんは軽く目を伏せ、困ったように笑った。
確か彼の家庭は、ご両親が離婚しているという話だった。弟がいると聞いていたけれど、お母様が依存するのは長男である彼だけなのだろうか。いったいどんな家庭環境なんだろう。
「実家にいた頃も多少束縛はあったが、社会人になって家を出てからさらにひどくなった。一日一回は必ず電話を掛けてくるし、アポなしで家を訪問されることもある。冷たくあしらえば、『私には至しかいないのよ』と泣かれる。困ったもんだろう?」
三十代の息子に対する接し方としては、少々行きすぎに思える。お母様の精神状態は確かに芳しくないようだ。