冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
勢いよく頭を下げるのと同時に、ぽろっと涙がこぼれる。
世界にひとつだけの、手作りのマリアベール。それを大好きな人のお母様から贈ってもらえるなんて、私はなんて幸せ者だろう。
「実は私、結婚式はしないつもりだったんです。至さんはしようと言ってくれていたんですけど……小さい娘もいるし、お母様が出席してくださるかどうかもわからなかったので、籍を入れるだけでいいって。でも今は、このベールに合うドレスを着て至さんの隣に立ちたい、花嫁になりたいって、強く思います。その時は、お母様も参列してくださいますか?」
「もちろん。喜んで」
お母さまは笑顔で頷き、テーブルの上にあったティッシュボックスから数枚ティッシュを引き抜くと、涙に濡れた私の頬を、メイクが崩れないように優しく押さえてくれた。
ベールを綺麗に畳んで紙袋に入れてもらった直後、キッチンの方で、お母様のスマホが鳴った。
「ちょっとごめんなさいね」
キッチンに移動したお母様はスマホを手に取り、「あら? 至だわ」と呟く。不思議そうにスマホを耳に当て、私と目を合わせながら「もしもし」と応対する。