冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~


「それならいいけど。そうだ、芽衣はどっちにする? ホットコーヒーとメロンソーダ。一応、温かいのと冷たいのを選べるように買ってみたんだが」
「メロンソーダをもらっていいですか? 喉が乾いちゃって」
「どうぞ」

 本当は、とっさに〝カフェインを避けなくちゃ〟という意識が働いていたが、至さんには告げられなかった。

 恋人の存在だけであんなにも心が揺らいでしまうお母様に、私の妊娠が知られたらどうなってしまうのか。考えただけで胸が潰れそうになる。

 それでも至さんにだけは相談するべきだとわかっているけれど、今日のところは言えそうにない。

「飲んだらまた少し歩こうか。普段運動不足だから、こういう場所を歩くのは気持ちがいい」
「そうですね。いいお天気だし」

 それから気を取り直したように、動物園の陽だまりを彼と手を繋いで散歩した。

 至さんとならたわいのない話をしながら歩いているだけでも幸せで、お母様のこともきっとなにか解決方法があるはずだと信じ、デートを楽しむことに集中する。

 途中でお土産ショップに寄り、私の独断で手のひらサイズのパンダのぬいぐるみをふたつ買って、片方を至さんに渡した。

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