冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
幸せな記憶を回想し、ますます先を読むのが億劫になる。しかし、目を逸らすわけにもいかない。
【さて、先日電話でお約束したことは覚えておいででしょうか。至に聞いてみてもあなたと別れた様子がありません。まさか、電話で嘘をおっしゃった訳ではありませんよね。私は気が長い方ではないので、この手紙があなたの元に届いてから一週間なら待ちます。けれどそれ以上待たされるようなら、私も強硬手段に出なければなりません。まずは、あなたの職場に出向き、息子をたぶらかされたと先生方に触れ回ろうと思います。幾望学園というお名前の学校でしたよね。実は、もう下見をしてあるのですよ】
下見……学校の場所を確認したというのだろうか。至さんを取り返すためならなりふり構わないという、お母様の強い執念を感じる。
【それでも別れないようなら、私はなにをしでかすか自分でもわかりません。子どものためなら鬼にでもなれるのが母親というものですから。自分の身を守りたいのであれば、一刻も早く至とは縁を切ることです。あなたが賢明な女性であることを信じております。
郡司秋枝】