冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

 こんなのまるで脅迫状だ。ただし、得体のしれない犯罪者からではない。愛する人のお母様から、私に……。

 どこへもぶつけられない悲しみで視界が潤み、手紙の文字が霞む。

 このまま至さんと別れなければ、お母様はますます物騒なことを考えてしまう。そうなったら、お腹の子だって危険かもしれない。彼と別れるしかないの……?

 私は思わずスマホを取り出し、至さんの電話番号を画面に表示する。

 お腹の子は、私と彼の子だ。彼に相談しないまま結論を出すことはできない。

 まだ仕事中かもしれないが、勇気を出して彼にコールする。何度も呼び出し音が鳴り、やはり仕事中かとあきらめかけたその時、ようやく音が途切れた。

《もしもし、芽衣?》

 至さんの声を聴いただけで、張り詰めていた気持ちが緩む。ホッとするのと同時にじわっと涙が浮かび、なんとか涙声にならないように話しだす。

「ごめんなさい、突然。話したいことがあって」
《どうした、改まって》

 このまま電話で本題に入っていいものか迷う。妊娠の件はともかく、お母様の手紙の件は、実物を見せた方が危機感が伝わりやすいような気もするし……。

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