冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「今から、直接会えませんか?」
《今……ちょっと待ってくれ。上司に確認する》

 上司と一緒? ということは仕事中だ。私、至さんの都合も聞かずにいきなり会いたいだなんて言って、なんて非常識なんだろう。

「ごめんなさい、お仕事中ならまた後日でも……」
《いや、抜けようと思えば抜けられ――》

 至さんがそう言いかけた時、電話の向こうで突如《至くーん! 早く戻ってきて!》と女性の声がした。

 三船さんという男性上司については婚活パーティーの時に聞いたことがあったけれど、今の女性は誰なんだろう。事務所の同僚かな。

 と、そんなことはともかく、彼を解放してあげなくちゃ。

「至さん、戻ってください。私の話は今度で大丈夫なので」
《悪い。後で時間が取れそうな日、メッセージで送っておく》
「わかりました。あの、できれば今週中で……」

 そう言って電話を切ろうとしたら、スマホの向こうから騒がしい物音がして、またさっきの女性の声がした。

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