冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
いくら同僚でも、私という恋人がいる身で異性とそういう話をするのって、至さんは抵抗ないのかな……?
そこまで思ってから、らしくない嫉妬心を抱いている自分に気づいて、首を横に振った。
きっと、心を滅入らせる出来事が立て続けに起こりすぎて、疲れているんだ。しっかり食べて早めに眠ろう。
もう、私ひとりの体じゃないんだから……。
その日の夜遅く、二日後の仕事終わりなら会えると至さんからメッセージが入っていた。
待ち合わせ場所に指定されたのは、彼の勤務する弁護士事務所と同じビルの一階に入っている喫茶店。約束の時間は午後七時だった。
「早く着きすぎちゃった……」
意気込んで学校を早く出てきたせいか、ビルの前に到着して腕時計を見ると、まだ午後六時にもなっていなかった。
とりあえず喫茶店に入り、窓際の席で温かいココアを飲みながら彼を待つ。
至さんも、ここをよく利用するのかな。レトロで品のよい喫茶店の内装を眺めながら、ふとそんなことを思う。
レンガ調の壁はブラウンで、ソファはどこか懐かしいえんじ色。壁一面の棚にはアーティスティックな表紙の洋書が飾られていて、眺めているだけでセンスが磨かれそう。
仕事終わりのデートの時は、至さんとの待ち合わせにまたここを利用するのもいいかも。