冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
おしゃれな店内の雰囲気と甘いココアに癒されて、口もとを小さく緩ませたその時。窓の外を至さんと長い髪の女性が通り過ぎていくのが見え、私は思わずカップを置いた。
一瞬だけ見えた女性の顔は甘めで愛らしい雰囲気。あんなにきれいな同僚と一緒に働いているんだ……。もしかして、先日電話から聞こえた声も彼女のもの?
心に不穏な影がかかるのを感じつつ、ふたりをジッと観察する。
交差点で信号待ちをする彼らは、どうやら道路を挟んで向こう側のコンビニを目指しているようだ。仕事で必要なものを買うのかな。それか、飲み物かなにかの買い出し?
ざわざわ騒ぎ出す胸を落ち着かせるように、ココアをひと口飲んで息をつく。けれど、まったく効果がない。ここでジッとしていたら、変な妄想で頭がいっぱいになってどうにかなりそう。
私は急いで会計を済ませ、喫茶店を出る。至さんたちがコンビニに入店するのを交差点で確認した後、私もそれを追うようにコンビニに駆け込んだ。
商品を見ているフリをしながらさりげなく彼らのいる棚の反対側に身を隠し、ふたりの会話に耳をそばだてる。