冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

 叶未の片想いが実った時は姉としても本当にうれしかったし、いつまでも幸せであってほしいと思う。姉ばかかもしれないが、叶未は誰より心の優しい子なのだ。

「お姉ちゃん、成優、いらっしゃい。入って入って」

 マンションに到着すると、エプロン姿の叶未が玄関で私たちを出迎えてくれた。成優は「こんばんは」と挨拶した後、すぐに廊下の奥を気にしてソワソワしている。

「どうしたの? 成優」

 きょとんとする叶未に、私は苦笑して説明する。

「今日、ちょっとだけメイクしてきたから、早く大和さんに会って見せたいんだと思う。たぶん、彼が成優の初恋ね」
「ふふっ、そうだったんだ。成優、大和さんならあっちのお部屋にいるから、行っておいで」

 叶未が優しく促すと、成優は緊張の面持ちで廊下を進み、リビングダイニングに続くドアを開けた。

「あ、成優。久しぶり~」という大和さんの気さくな声の後、「もしかしてちょっとメイクしてる? かわいい!」と、成優をさらっと褒めているのが聞こえた。

「さすが。相変わらずのイケメン対応ね、大和さん」
「だね。うちの瑛太は男の子だし、成優のことホントにかわいいんだと思う」

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