冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「自分が成優と同じ年だった頃は、もうちょっとワガママだったと思うのよね……」
叶未と一緒にテーブルの上のコップにジュースを注ぎながら、私は思わず不安をこぼした。
臨床心理士のくせに、我が子のことになると冷静に分析ができないのだ。
叶未は子どもたちの方に目を向けた後、うーんと首を傾げて話しだす。
「私もわりとワガママ言えない方だったけど、別に家庭環境のせいとかじゃなくて、ただそういう性格なんだよね。成優も単純に性格なんじゃないかな。だってお姉ちゃん、いつもちゃんと成優のことを考えてるじゃない」
「そりゃ自分の子のことだもの、当然よ」
「だったら必要以上に心配するより、お姉ちゃんがいつも笑っているのが成優にとっては安心だと思うな。子どもって親が思う以上に親の表情をよく見てるよ」
いつの間にかずいぶんと母親らしくなった叶未のおおらかな笑顔に、不安がゆっくりほどけていく。
成優の聞き分けがいいのは、母親の私を笑顔にしようと、小さな胸の中で一生懸命考えているから。
私も私なりに、成優が誰より大切であることを伝え続けていけば、それでいいのかもしれない。