冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
今さらそんな当然のことに気づいて、落ち込んでいるらしい。
成優の気持ちを考えたら笑ってはいけないのだけれど、かわいらしい悩みにどうしても微笑みがこぼれる。
「成優はこれから、もっとカッコいい人にたくさん出会うわよ」
「やまとくんよりもカッコいいひとなんて、このよにいる?」
〝この世〟だなんて言葉、一体どこで覚えたんだか。
娘の鋭い突っ込みにどぎまぎしながらも、私はごまかさずに自分の経験を伝える。
「ママはね、ひとりだけ会ったことある」
「えっ! だれー?」
「成優のパパ」
そう言って微笑むと、成優も誇らしげにニンマリした。繋いだ手をぶんぶんと振って、「そっかぁ」と夜空の星を仰ぐ。
成優には、子どもにわかる程度にかみ砕いてではあるが、父親である至さんの人物像を伝えてある。
弁護士という職業に就き、困っている人を助けてくれる、とてもカッコいい人であること。大好きだったけれど別れなければならない理由があって、結婚はできなかったこと。