冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「保育園、行きたい?」
「うん……」

 そっか……小さなうちから保育園に通っている影響もあるのだろうけれど、母親とふたりで公園にくるより、友達と遊ぶ方が楽しくなったんだな。

 寂しいけれど、健全に成長している証拠だ。

「じゃ、今日は保育園の給食と同じお昼ご飯にしようか」
「する! あのねえ、きょうはおやこどんだよ!」

 ようやく成優の表情が明るくなり、ホッとした。

 スーパーで鶏肉と卵、玉ねぎを買ってアパートに戻ると、私たちの部屋の前の通路にスーツ姿の男性が立ち、スマホを弄っていた。

 なんだろう。保険? 幼児向けの塾の営業? あいにく、うちにはそんな余裕ありませんけど……。

 訝しく思いながらも家に帰らないわけにはいかないので、成優の手を引いて通路を進む。

 すると、私たちの足音に気づいた男性が、こちらを振り向く。

「えっ……」

 思わず、驚愕の声が漏れた。

 仕立てのよいスリーピーススーツ、あの頃より少し伸びた髪、涼し気な瞳に、成優とそっくりの尖った鼻。

 至さん……?

 絶句して立ち尽くす私の元に、彼はゆっくり歩み寄ってくる。

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