冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
「費用なら心配しなくていい。弟のためでもあるから、無償で動くつもりだ」
確かに、弁護士の至さんならそういった交渉事は得意分野だろう。しかも無償だなんて、私にとってはかなり好条件。成優のためにも、仕事を失うのは困る。
……彼の親切に甘えていいのだろうか。
「ねえ、ママ」
考え込んでいると、不意に成優が私の服を引っ張った。
いけない、成優が一緒にいたんだった。この状況、どう説明したらいいのだろう。
「あのね、成優、この人は――」
「はじめてあえた! やまとくんよりカッコいいひと!」
気づけば、成優の目が乙女モードになっていた。熱視線を向けられた至さんはきょとんと成優を見下ろしている。なんだかややこしいことになりそうだ。
「……娘?」
「え、ええ」
まさか自分の子だとは気づかないだろうが、年齢を聞かれたらまずい。
私は至さんが成優について深く考える前にと、とりあえず玄関のドアを開けて彼を中に招く。
「あの、中で詳しいお話を」
「ママ、このひともいっしょにおやこどんたべる?」
成優が期待のこもった眼差しで私を見る。至さんと成優と私とで親子丼を食べるなんて、なんたる皮肉。
ひとりで勝手に気まずくなるけれど、一応尋ねてみる。