冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

 成優と一緒に居間兼寝室である和室に入ると、至さんが棚に飾ってある成優の写真をジッと眺めていた。赤ちゃんの頃の写真だ。

 一瞬ドキッとしたが、撮影日は印字されていなかったはずだと思い直し、動揺を収める。

「ねえママ、おにいさんとあそんでもいーい?」
「成優、ダメよ。お兄さんはお仕事で来てるの」
「俺は構わないけど」
「でも……」

 正直なところ、あまり成優と親しくならないでほしい。接する時間が長くなればなるほど、なにか勘付かれてしまいそうで……。

「成優ちゃん、なにして遊びたい?」

 難色を示す私を無視して、至さんは成優の目線にしゃがむ。成優はうれしそうに頬を赤くして、即答する。

「おままごと! なゆがママで、おにいさんがパパね」
「了解」

 成優はおもちゃ箱を引っ張り出してきて、テーブルの上にままごと道具を並べていく。至さんはその傍らに胡坐をかいて、成優の様子をニコニコと見つめる。

 なんだか、彼と動物園に行った日のことを思い出す。周囲の親子連れを眺めながら、私たちもきっと将来ああなるんだって、吞気に夢見ていたっけ。

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