記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
私を気遣って、遠慮しているんだ・・・。

毎朝、紫苑は私が目覚めると私の顔を覗き込む。

その表情には、今日こそ記憶が戻っているのではないかという期待を感じる。


私も同じだ。
思い出したい。

目が覚めたら記憶が戻っているんじゃないかと希望を持っては、目が覚めてから叶わないことを知る日々が続いている。

< 54 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop