記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「桐乃は動かなくていいから。」
私がベッドから動き出そうとすると、紫苑はすぐに止める。
その度に手をとめて私の方に近づく紫苑の邪魔をしないように、私は黙って、彼の作業が終わるのを待つことにした。
「久しぶりの外だから、気をつけような。」
大きなバックに荷物をつめた紫苑は、その荷物を病室から運び出して私の元へと戻ってきた。
今日退院するというのに私はまだ病院のパジャマ姿。
髪もぼさぼさで化粧すらしていない。
いつもこの格好でいて、つわりと事故の影響で頭が痛んで、身なりを気にする余裕がなかった。
2日に一度、看護師に付き添ってもらってシャワーを簡単に済ませる程度で、スキンケアも適当な日々。
紫苑が私が事故の前に使っていたというスキンケアグッズを持ってきたけれど私には、どれがなんだか英語表記が読めず、結局紫苑に夜顔に塗られるという状態・・・。
やっと自分の身なりを考える余裕ができたのは・・・恥ずかしいことに”今”だった。
私がベッドから動き出そうとすると、紫苑はすぐに止める。
その度に手をとめて私の方に近づく紫苑の邪魔をしないように、私は黙って、彼の作業が終わるのを待つことにした。
「久しぶりの外だから、気をつけような。」
大きなバックに荷物をつめた紫苑は、その荷物を病室から運び出して私の元へと戻ってきた。
今日退院するというのに私はまだ病院のパジャマ姿。
髪もぼさぼさで化粧すらしていない。
いつもこの格好でいて、つわりと事故の影響で頭が痛んで、身なりを気にする余裕がなかった。
2日に一度、看護師に付き添ってもらってシャワーを簡単に済ませる程度で、スキンケアも適当な日々。
紫苑が私が事故の前に使っていたというスキンケアグッズを持ってきたけれど私には、どれがなんだか英語表記が読めず、結局紫苑に夜顔に塗られるという状態・・・。
やっと自分の身なりを考える余裕ができたのは・・・恥ずかしいことに”今”だった。