記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「桐乃?どうした?」
再び心配そうな顔になる紫苑が、私の頬を撫でる。
熱いものが自分の瞳からあふれるのに気づいた私は彼の頬に手を伸ばした。
彼は私が伸ばした手に、そっと自分の頬を近付けて、切なさの混じる表情で目を閉じた。
「私の・・・」
「うん。」
私の言葉に彼は目を開ける。
「私の心の中に、私が忘れている私が存在していて。」
「うん」
どう言葉にしたらいいかわからない私はそのままの感情を言葉にする。
「でもたしかに存在していて、きっと記憶を失っている間の私が。」
「うん」
私は彼の熱い頬に触れながら話を続ける。
再び心配そうな顔になる紫苑が、私の頬を撫でる。
熱いものが自分の瞳からあふれるのに気づいた私は彼の頬に手を伸ばした。
彼は私が伸ばした手に、そっと自分の頬を近付けて、切なさの混じる表情で目を閉じた。
「私の・・・」
「うん。」
私の言葉に彼は目を開ける。
「私の心の中に、私が忘れている私が存在していて。」
「うん」
どう言葉にしたらいいかわからない私はそのままの感情を言葉にする。
「でもたしかに存在していて、きっと記憶を失っている間の私が。」
「うん」
私は彼の熱い頬に触れながら話を続ける。