政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
そうしたら浅緋が密やかな声で
「待ち合いを使っていただくのは……」
と言ったのだ。
そうして、玄関の横に待合があることを知った。
そこならば、部屋に上がらずに話ができる。
その時、浅緋が玄関に降りてきた。
「どうぞ。あの……狭いですけど」
「恐れ入ります」
案内するのに、わざわざ降りてきてくれたのだ。
初めて、片倉に向かって語りかけたのを聞く浅緋の声だった。
さらさらとしていて柔らかく、耳に聞き心地のいい声。近くに立つと思ったよりも小柄なのだと気づく。
きゅっと抱きしめたら、すっぽりと腕の中に入ってしまいそうだ。
するりと片倉の横をすり抜けた、浅緋の細くて白いうなじが目に入って、片倉はそんな場合ではないのに、見とれそうになった自分に苦笑する。
淹れてもらった温かいお茶に、やっと人心地付いた気がした片倉だ。
園村の奥さんは名刺を確認し、
「片倉さんとおっしゃるのね」
と言われたので
「片倉慎也と申します」
と改めてフルネームで自己紹介した。
「待ち合いを使っていただくのは……」
と言ったのだ。
そうして、玄関の横に待合があることを知った。
そこならば、部屋に上がらずに話ができる。
その時、浅緋が玄関に降りてきた。
「どうぞ。あの……狭いですけど」
「恐れ入ります」
案内するのに、わざわざ降りてきてくれたのだ。
初めて、片倉に向かって語りかけたのを聞く浅緋の声だった。
さらさらとしていて柔らかく、耳に聞き心地のいい声。近くに立つと思ったよりも小柄なのだと気づく。
きゅっと抱きしめたら、すっぽりと腕の中に入ってしまいそうだ。
するりと片倉の横をすり抜けた、浅緋の細くて白いうなじが目に入って、片倉はそんな場合ではないのに、見とれそうになった自分に苦笑する。
淹れてもらった温かいお茶に、やっと人心地付いた気がした片倉だ。
園村の奥さんは名刺を確認し、
「片倉さんとおっしゃるのね」
と言われたので
「片倉慎也と申します」
と改めてフルネームで自己紹介した。