骨の髄まで愛してやるよ【メイン更新中】
秦さんが行き先を伝え、運転手が車を走らせる。
「ハア、ハア、ハアッ…………」
息が苦しい。恐怖で吐きそう。隣に秦さんがいてくれて良かったと、心底思う。
「ちぎ様。お父様とお母様は米国に到着したそうです」
ママとパパからの連絡があったらしい秦さんは、スマホを手に持ち、焦るように伝えてきた。
私を捨てたパパとママなんてどうでもいい。いっそのこと、二人を乗せていた飛行機も墜落してしまえば良かったんだ。
そしたら相続放棄の手続きをして借金地獄から免れるのに。
お屋敷にある貴金属は、パパが財産として海外に運んでしまった為、お金に変えれるものはない。
今私にできる事は、秦さんと一緒に遠くの街へ逃げること。
―――――何が何でも生き延びること。