あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
(レオナード、ヴィンセント、ツヤさん、ギルベルトさん、チェルシーさん、エイモンさん、チターゼさん、アレンさん……)

今まで過ごした日々が蘇ってくる。走馬灯とは本当にあるのだと初めて知った。

イヅナの頬を涙が伝う。レジーナがナイフを大きく振りかぶった。



「ううっ……」

アレンが目を覚ますと、人一人が入れるような檻の中だった。辺りは薄暗いものの、自分が閉じ込められている檻の外に、同じような檻がいくつもあることが目に見えた。そして、中には自分と同じように閉じ込められている人がいる。

「あの……!」

アレンが声をかけると、「気が付いたんですね」と周りの檻の中にいる人たちが元気のない声で言う。アレンがよく見ると、十代から二十代の男性が数人捕らえられていた。

「ここはどこなんですか?」

魔法使いに攫われたことを思い出し、アレンが身震いしながら訊ねると、「サバト会場の地下さ」と一人が答えてくれた。
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