・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「結局この件を私は今日まで知らされずにいたんだよね? 秘密にされていたってことは、私はリュウに信用されていなかったってことだよね?」
「違う、秘密にしようとして話さなかったわけじゃない。時期を見て、いつか話そうと思ってたよ」
目を逸らさずに答えてくれているリュウだから、その言葉に嘘はないのだと分かるけれど。リュウに対し首を振り視線を逸らすと、心に広がるモヤモヤを吐き出してしまった。
「いつか……なんて、本当にいつ来るかも分からないことじゃん。それまで、私は嘘をつき通されるってことに、変わりはないんでしょ」
「そんなことない。いつ話しても、優羽はきっと分かってくれるって信じてたから」とリュウは即答し。見つめたまま、そっと頬に手を添え唇を親指でなぞられたけれど。
本来ならば嬉しいはずのリュウの指が今は痛くて。無条件に信用されていることを知る程、優しくされる程。
かえって申し訳なく感じてしまうのは……。
近づいてきたリュウの唇から逃げるように、思わず顔を引きリュウを拒否してしまった。
「優羽?」とキスを拒んだ私を不思議そうに見つめるリュウの視線が、優しいほど複雑な気持ちになるし隠されていたことを責めていることに反し、自分は平気でリュウに対し隠し事をしているのが嫌になる。
触れないで。リュウではない人が触れた唇になど……。
「違う、秘密にしようとして話さなかったわけじゃない。時期を見て、いつか話そうと思ってたよ」
目を逸らさずに答えてくれているリュウだから、その言葉に嘘はないのだと分かるけれど。リュウに対し首を振り視線を逸らすと、心に広がるモヤモヤを吐き出してしまった。
「いつか……なんて、本当にいつ来るかも分からないことじゃん。それまで、私は嘘をつき通されるってことに、変わりはないんでしょ」
「そんなことない。いつ話しても、優羽はきっと分かってくれるって信じてたから」とリュウは即答し。見つめたまま、そっと頬に手を添え唇を親指でなぞられたけれど。
本来ならば嬉しいはずのリュウの指が今は痛くて。無条件に信用されていることを知る程、優しくされる程。
かえって申し訳なく感じてしまうのは……。
近づいてきたリュウの唇から逃げるように、思わず顔を引きリュウを拒否してしまった。
「優羽?」とキスを拒んだ私を不思議そうに見つめるリュウの視線が、優しいほど複雑な気持ちになるし隠されていたことを責めていることに反し、自分は平気でリュウに対し隠し事をしているのが嫌になる。
触れないで。リュウではない人が触れた唇になど……。