・LOVER—いつもあなたの腕の中—
 ペンや付箋のような消耗品と違い手帳などは目立つものだし、ほぼ一年中使い倒し打ち合わせの際などはテーブルの上などに出していることが多い。
 もし相手が手帳関係の取引先だった場合、こちらが気にしていなくても「あぁ、うちの技術よりこちらの会社技術をかっているんだな」とガッカリさせてしまうかもしれない。
 ならば目についても角が立たずに済むであろう、自社支給品の手帳を使うことが一番無難なのではないかという結論に至ったのだ。


「いいでしょ別に。使いやすいし紙質も好きなの」

「へぇ」

「ダサいと思ってるでしょ、仕事で使ってるんだからこれでいいんです!」

「そこまで言ってないじゃん」


 腕を組み口元を右手の拳で隠しながら、クスクス笑っている顔がやけに可愛く見えてしまう。


 どうしたんだろう。この人のこと、よく知らないのに惹き込まれる。
 ちょっとした仕草を目にしただけでも、目が離せなくなってしまうなんて。これが世に言われる『芸能人オーラ』ってやつなの?


「まだ他にも聞きたいことがある? 俺そろそろ……」と辺りを見渡した西田リュウは、この場を離れたそうにソワソワし出した。
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