・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「な、何言ってるんですか? そんなの嘘です。副社長とは別に何でも……」

「今更隠さなくてもいいさ。副社長から直接聞いたんだから、それが真実だろ。まぁ、二人の仲が表沙汰になると真島も周囲に気を使われたりして、仕事がやり辛いだろうから今まで通りの対応をするように。とも釘を刺されたしな。正式に話がまとまるまでは、俺の胸の内にとどめておくから安心しろ」


 どうやら私が隆好と深山さんの前から逃げ出した後。二人の間では話が進んでいたようで。
 深山さんからの質問に、隆好は隠すことなく答えたというのだ。


 信じられない。隆好は何を考えて二人の仲を認めたのだろう。深山さんの前では「西田リュウ」ではなかったのに。


「それに、君達の話を耳にしてしまった後だしね」

「あっ」


 今更ながら口元を手で隠しても遅いのに、間抜けな私は慌てて口を閉ざす。そんな私の行動を面白おかしく笑って眺めている深山さんは、芽衣の肩を叩きながら私に言った。


「青山は俺が責任もって家まで送り届けるから、真島は副社長の所に帰れ」

「でも……」


 私のせいで酔い潰れてしまった芽衣を、深山さんに任せて置き去りにしてもいいのかな。深山さんが送り狼にならない保証がないし。
 もし、芽衣の身に何かあったら……。
< 226 / 253 >

この作品をシェア

pagetop