・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「こうなったら行くしかない」と腹を括り、歩き出す。
副社長室は最上階に位置している。エレベーターに乗り込み最上階のボタンを押す。
深呼吸を数回してみるも、鼓動は落ち着くどころか早くなるばかりで「このままエレベーターが着かなければいいのに」なんてことまで考え始めてしまう。
願いもむなしく、エレベーターはグングン上昇し私を最上階へと運んだ。
扉が静かに開くと、最上階の景色に出迎えられ目を奪われる。
同じ社屋内なのに遠くの方まで広がっている景色は、いつも見ている景色とは違って見えて。副社長に呼ばれたことさえ忘れてしまう程、見入ってしまう。
そんな私を現実に引き戻したのは、副社長室から微かに漏れている笑い声だった。
ピカピカに磨かれているガラス窓に映る姿を確認し、身繕いを試みる。頭上で飛び出している髪は掌で撫でて落ち着かせ前髪を整え、一日本社勤務だからと着て来た少し華やかに見えそうな色合いのシャツの襟を直す。
息をひとつ吐き、副社長室のドアをノックした。
「営業の真島です」と声をかけると室内から「どうぞ」と返事が聞こえ。ドアを開け副社長とのご対面の時を迎えた。
「失礼いたします」
副社長室は最上階に位置している。エレベーターに乗り込み最上階のボタンを押す。
深呼吸を数回してみるも、鼓動は落ち着くどころか早くなるばかりで「このままエレベーターが着かなければいいのに」なんてことまで考え始めてしまう。
願いもむなしく、エレベーターはグングン上昇し私を最上階へと運んだ。
扉が静かに開くと、最上階の景色に出迎えられ目を奪われる。
同じ社屋内なのに遠くの方まで広がっている景色は、いつも見ている景色とは違って見えて。副社長に呼ばれたことさえ忘れてしまう程、見入ってしまう。
そんな私を現実に引き戻したのは、副社長室から微かに漏れている笑い声だった。
ピカピカに磨かれているガラス窓に映る姿を確認し、身繕いを試みる。頭上で飛び出している髪は掌で撫でて落ち着かせ前髪を整え、一日本社勤務だからと着て来た少し華やかに見えそうな色合いのシャツの襟を直す。
息をひとつ吐き、副社長室のドアをノックした。
「営業の真島です」と声をかけると室内から「どうぞ」と返事が聞こえ。ドアを開け副社長とのご対面の時を迎えた。
「失礼いたします」