・LOVER—いつもあなたの腕の中—
 西田リュウに再会したこと、彼に指名され仕事を一緒にする業務命令を受けたこと。
 副社長に初めて会った印象が、思い描いていたものとは違っていたこと等。そして、イイ男を二人も同時に拝めた貴重な時間だったことも忘れずに。


「えー、イイなぁ。優羽ずるーい」

「ん? どっちのこと言ってる?」


 西田リュウに再会したこと? それとも副社長の顔を拝めたこと? と缶コーヒーを飲みながら確認しただけなのに。芽衣からは、感情に任せたように力いっぱい背中を叩かれた。


「痛いなぁ、少しは加減してよ」

「この天然! どっちもよ。羨ましい限りって言ってんの!」


 どうして私ばかり美味しい思いをしているのかと問われても分かるわけが無い。
 わたしの一存でもなんでもなくてですね。出来れば私だって、断れるものなら断りたかったよ。
 でも副社長からの業務命令だったし、断れなかったんだってば!


「で? 西田リュウとは何か話せた?」

「何かって?」

「とぼけないでよ、せっかく再会したんだから何か話したでしょ?」

「特には。あ、仕事頑張ってね。って爽やかな笑顔で言われたよ」


 俳優さんの素敵な声で言われたから、この後の仕事は頑張れそうだよね。と口にする私を見て、芽衣は大きな息を吐いた。
< 43 / 253 >

この作品をシェア

pagetop