・LOVER—いつもあなたの腕の中—
ホント凄いなぁ……。同期として鼻が高いよ、芽衣。
副社長と芽衣の会話に、ボーッと聞き入ってしまっていた私に気付いたのか、ふと副社長の視線が向けられた。
「そこ、ボケッとするな。大事なことはメモを取れ。君がタレント側への連絡を怠れば、それだけ納得のいく仕上がりにならなくなる」
「すみません」
ひぃぃっ、厳しい! 怖いよぉ。
早速やらかしてしまい、小さく身を縮める。パタンと手帳を開き、ペンを走らせ必死にメモを取った。
社のイメージに添うようなコンセプト、舞台設定の案。CM用の映像撮り、実際に商品を手にしたポスター撮影等々。
ある程度、こちらからの要望を伝えるための案が次々に出される。その中から、すり合わせを行い実際に形に変えてゆく。
一度の打ち合わせでどれだけ話を纏め作業を進められるかも、私にかかっているということだ。西田リュウ側のスケジュールとの兼ね合いも含め、色々と確認することがありそうだ。
こんなポンコツな私に、重要任務役が務まるだろうか。本来、私のような人間は誰かの補佐として動いた方が適任だと思うのだが。