僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
 葵咲ちゃんの綺麗なアーモンドアイに、僕が映っている。

「葵咲……」

 うまく言葉は紡げなかったけれど、彼女を抱きしめたいという衝動だけは止められなくて、僕はエレベーター内に二人きりなのをいいことに彼女をギュッと抱きしめた。

「ひゃっ。ちょっ、理人っ、人っ、来ちゃう……!」
 葵咲ちゃんが困ったように身じろぐけれど、僕はお構いなしだ。

 見られたら見られたでいい。別にエッチなことをしてるわけじゃないし。

 本当は今すぐにでも葵咲ちゃんの唇を塞いで、着ているものを全て剥ぎ取ってしまいたい……。でも、誰かに彼女の肌を見られるような危ない橋を渡る気は、僕にはない。
 葵咲ちゃんの綺麗な肌は、僕だけのものだ。誰にも見せてなんてやるもんか。

 葵咲ちゃんを抱きしめたまま、僕は彼女の耳元に囁いた。

「葵咲、部屋は何号室?」

 エレベーターが開いたら、即座に部屋の位置を把握して、すぐにでも葵咲ちゃんを部屋に連れ込もう。
 そうして、とりあえずは彼女の肢体《からだ》を堪能するんだ。

 そんなことを考えて、僕は小さく生唾を飲み込んだ。
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