僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
僕はぼんやりと、葵咲ちゃん不在の間はマンションには戻らず、実家で過ごそうかな?とか考えているけれど、それにしたって僕にあてがわれた自室は一人部屋だ。
実家とはいえ、誰かとずっと一緒にいられるわけじゃなし、一人になれば必然的に葵咲ちゃんへの恋しさが募るのは目に見えている。
親に向かって彼女が不在で寂しいとは、さすがの僕でも息子としての矜恃が邪魔して言えないし。
寝るまでに一度、電話で彼女の声を聴くのは当然として……電話を切った後を思うと正直泣けてきそうだ。
そこでふと、僕は葵咲ちゃんに、今日飲みに出ると連絡していなかったことを思い出した。
いくら何でもグダグダ過ぎるだろ、僕。
「ねぇ、真咲、ちょっと連絡してみてもいい?」
葵咲ちゃんから友達との飲みを勧められたのは確かだけれど、彼女だってまさか自分が旅立ったその日すぐに、僕がそんなことになっているとは思っていない気がする。
「……え? まさか立花に?」
と真咲に変な顔をされて、僕は「あ」と思う。
「いや、違う違う。僕の彼女」
ごめん、真咲。確かに今の流れから行くと、僕が真咲の奥さんへ連絡する?って勘違いされても仕方ない気がする。
真咲の帰りが遅くなります、僕のせいですって。
実家とはいえ、誰かとずっと一緒にいられるわけじゃなし、一人になれば必然的に葵咲ちゃんへの恋しさが募るのは目に見えている。
親に向かって彼女が不在で寂しいとは、さすがの僕でも息子としての矜恃が邪魔して言えないし。
寝るまでに一度、電話で彼女の声を聴くのは当然として……電話を切った後を思うと正直泣けてきそうだ。
そこでふと、僕は葵咲ちゃんに、今日飲みに出ると連絡していなかったことを思い出した。
いくら何でもグダグダ過ぎるだろ、僕。
「ねぇ、真咲、ちょっと連絡してみてもいい?」
葵咲ちゃんから友達との飲みを勧められたのは確かだけれど、彼女だってまさか自分が旅立ったその日すぐに、僕がそんなことになっているとは思っていない気がする。
「……え? まさか立花に?」
と真咲に変な顔をされて、僕は「あ」と思う。
「いや、違う違う。僕の彼女」
ごめん、真咲。確かに今の流れから行くと、僕が真咲の奥さんへ連絡する?って勘違いされても仕方ない気がする。
真咲の帰りが遅くなります、僕のせいですって。