僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
 手のひらに心地よい弾力を伝えてくる葵咲(きさき)ちゃんのやわ肌は、暑いと訴える彼女の言葉の通りしっとりと汗ばんでいた。
 それがまた、手のひらに吸い付いてくるみたいでたまらない。


「大好きな女の子のやわらかな胸を、好きなときに好きなだけ触らせてもらえるのって……何て幸せなんだろう」

 うっとりとつぶやけば、「私、そんなの許可してない……」と小さく抗議の声が落とされる。

 だからと言って全力で拒否してこないのは、葵咲ちゃんも僕に触れられることを本気で嫌がってない証拠(サイン)だ。

 葵咲ちゃんは言葉裏腹な女の子だから。


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