僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「あっ、え!? ちょっ、理人(りひと)!?」

 手にしていたぬいぐるみを半ば強引にむしり取られて、葵咲(きさき)はますます困惑してしまう。


「こんなの、必要ない」

 ばかりか、憮然(ぶぜん)とした態度で吐き捨てるようにそう言われて、ソファーにぬいぐるみを放り捨てられた葵咲は、勝手にこんな大きなぬいぐるみを買って来てしまったことを(とが)められたのかな?と思って。

 確かにそこそこの大きさだし、オープンセールで割引きされていたとはいえ、それなりに高かった。

 いつも事後報告でも理人が何も言わずに許してくれるから、自分は彼に甘えすぎていたのかも知れない。

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