僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
 ひおちゃん、真面目に話してくれているのにごめんなさい。

 だってそんな……。

「ま、まじまじと……見ないよっ?」

 そう言ったら「え? でも……気になりませんか? 彼の裸……」って、ひおちゃんがグラス越しに私を見つめてくるの。

 気にならないと言ったら嘘になるけれど……ものすごく注視したいか?って聞かれたらそんなこと、考えたこともなかった。

 ひおちゃんの直向(ひたむ)きな眼差しに、私、何だか照れてしまった。

 とりあえず気持ちを落ち着けるためにシードルを一口飲んでから、「でもあれよ? 彼も湯船に浸かってたりしたら見えないでしょう?」って聞いたら、「あ、洗いっこはしないのですかっ?」って……。ひ、ひおちゃん、初っ端から攻める気満々ですね!?

「その辺は……その時の雰囲気と流れ次第じゃないかな? 私、初めてのお風呂の時はさすがにそこまでは無理だった……かな?」

 理人(りひと)は私を洗ってくれたけど、私は理人に何も出来なかった、はず。

 だってさすがに……その……恥ずかしかったから。

 私、理人と初めてのお風呂は初めてのエッチの後だったから……グッタリしてて理人の成すがままだった記憶しか……ない。
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