僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
***
「ねえ葵咲。違ってたらごめんなんだけど」
塚田夫妻と別れて、来た時と同じように連れ立ってホテルまでの道のりを歩きながら……僕は隣に並ぶ葵咲ちゃんに問いかける。
「かぐや……じゃなくて……日織さんと……その、初体験の話……したり、した?」
修太郎さん、すみません。まどろっこしいので今は奥さんのこと、下の名前で呼ばせていただきます。
頭の中で修太郎氏に謝ると、僕はかぐや姫のことを「塚田さん」ではなく葵咲ちゃん同様下の名で呼ぶことを選ぶ。
葵咲ちゃんは修太郎氏のことを「塚田さん」と呼んでいるみたいだし、足並みを揃えておかないと話がややこしくなりそうだと思ったから。
今は葵咲ちゃんの気持ちを解きほぐすのが、僕にとっての最重要事項。
他に気持ちを割いているゆとりは――ない。
「ねぇ理人。ホテルに着いてから話そうって言ったよね? 待てないの?」
沈黙に耐えきれずフライングで話の水を向けてしまったことが、葵咲ちゃんを苛立たせてしまったみたいだ。
「ねえ葵咲。違ってたらごめんなんだけど」
塚田夫妻と別れて、来た時と同じように連れ立ってホテルまでの道のりを歩きながら……僕は隣に並ぶ葵咲ちゃんに問いかける。
「かぐや……じゃなくて……日織さんと……その、初体験の話……したり、した?」
修太郎さん、すみません。まどろっこしいので今は奥さんのこと、下の名前で呼ばせていただきます。
頭の中で修太郎氏に謝ると、僕はかぐや姫のことを「塚田さん」ではなく葵咲ちゃん同様下の名で呼ぶことを選ぶ。
葵咲ちゃんは修太郎氏のことを「塚田さん」と呼んでいるみたいだし、足並みを揃えておかないと話がややこしくなりそうだと思ったから。
今は葵咲ちゃんの気持ちを解きほぐすのが、僕にとっての最重要事項。
他に気持ちを割いているゆとりは――ない。
「ねぇ理人。ホテルに着いてから話そうって言ったよね? 待てないの?」
沈黙に耐えきれずフライングで話の水を向けてしまったことが、葵咲ちゃんを苛立たせてしまったみたいだ。