名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「うん、なんて言っていた?」
「午後、検査して異常が無ければ、1週間ぐらいで地元の病院に転院しても良いって、転院先を決めて向こうの都合もあるから日にちは相談の上、決定でいいよな」
将嗣の話を聞いてホッと息を吐く。地元の病院に転院出来そうで安心した。けど、1週間もコッチの病院で、その後、地元の病院に戻ってからどうするか悩む所。
「すみません。口を挟むようですが、地元の病院に移った後、美優ちゃんのお世話を私に任せていただけませんか?」
朝倉先生の言葉に、将嗣の眉がピクンと上がる。
「将嗣もお仕事でしょ? 仕事の間、美優の預け先を探さないといけないじゃないかな? 保育園の一時預かりだと時間も決められていて、将嗣のシフトに合うかどうか難しい所だし、朝倉先生の所だったら先生のお姉さん達が助っ人で来て下さるそうなの」
フォローしたつもりだけど、返ってマズかったかな?
チラリと将嗣を見る。
将嗣は、美優をジッと見つめていた。
「……少し考えさせて頂いてもいいですか?」
将嗣が、朝倉先生に向かって軽く頭を下げ、美優を連れて病室から出て行ってしまった。