名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
将嗣の気持ちを考えたら朝倉先生に美優を預けるなんて抵抗があるのだろう。でも、一人では背負い切れない部分は誰かの手を借りなけば子育ては出来ない。自分の意地を通せば、その分子供にしわ寄せが行く。
美優のことに関しては二人で決めなければいけないけれど、将嗣が反対したとしても美優のためになる選択をしなければならない。
「翔也さん、さっき言い掛けていた言葉って……?」
「あ、いや、何だったかな?」
2回も何かを言い掛けていたのに、何か言いにくい言葉だったのかな?
本当は、しつこく聞き出したい気持ちもあったけど、言いにくい言葉を無理やり聞き出すのも憚れたので、朝倉先生がいつか言ってくれると信じて待つ事にした。
「今、美優ちゃんの事は、園原さんが見ているの?」
「そうですね、仕事を休んでいる間は、実家に寝泊まりして見てくれるそうです」
「じゃあ、コッチにいる間は手を出さない方が良さそうだね」
朝倉先生が、少し寂しそうに笑った。
「翔也さん……」